CFD連成解析

CFDを連成した空調システムシミュレーションに関する研究

省エネルギー志向のシステムを設計する際、完全混合のの考え方は不都合を生み出す。コンピューターの性能向上とともにCFDは、その発展を成し遂げ、室内温度分布を予測可能にした。

そこで、CFDを用いて、室内温度分布をフィードバックしながらの空調システム手法に関する有効性検証とケーススタディーを行っている。

CFD連成解析手法に関するQ&A

Q.なぜCFDと空調システムシミュレーションを連成するのですか?

A.空調システムの省エネルギー化は二次側空調システムの空調効率向上により実現できると考えられています。そのために、空調域を局所化しエネルギー消費量を抑えるか温度差を確保し搬送動力を減らす工夫をするわけです。ですが、今までの完全混合の考え方はこれらの新しいシステムへの適用は困難となります。なぜなら上下温度分布をわざと作り出すわけですから、、そこで、活躍が期待できるのがCFDとなるのです。さらに、近年のライフサイクルアセスメントを重視する中で空調システムシミュレーションを活用した期間性能評価と設計が求められるようになりました。 というわけで、CFDと空調システムシミュレーションを連成した使い方が必要となります。

Q.CFDと連成って時間もかかるし難しくないですか?

A.そうですね。確かにCFDって精度よくやろうとすると時間はかかります。ですので、時間短縮のためにそれなりの工夫は必要です。連成解析の一つの難関ですが、パソコンのさらなる性能向上を期待しながらアイデアを絞る必要ありですね。あと、連成って特殊な技術を要するものではありません。すでにFluentとTRNSYSはお互いに連成機能を持っているし、Energy Plusも汎用のCFDツールと連成できます。

Q.CFDと空調システムシミュレーションの連成でなにができるのですか?

A.設計段階ではその支援を、試運転調整・初期運用段階ではシステムのチューニング支援、運用段階では、室内温熱環境の監視・制御支援に有効なアプリケーションとして活用が期待できます。設計段階での有効性を示した研究論文が日本建築学会論文集に掲載されました。論文はこちらへ

Q.CFDと空調システムシミュレーションの連成は新しい発想ですか?

A.いいえ、海外ではLamさんら(2001年、Building and Environment)による研究例があるし、日本では鄭さん(2006年)、飯田さんら(2008年)がこの手法を使った研究例を発表しています。これからもって増えていくと予想しています。