クール/ヒートチューブ

クール/ヒートチューブに関する研究

建物の熱負荷のうち、約30%は新鮮な外気を導入する際にかかわる、外気負荷が占めるといわれている。この外気負荷を低減することを目的としているシステムである。右図のようなパイプを地中に埋めるタイプ、地下の耐震ピットを有効利用するタイプがある。上記システムの期間性能予測・設計手法について研究しており、シミュレーションツールを開発して実務に活用している。

ニュース


クール/ヒートチューブの設計支援ツールの公開を始めました。

企画段階や初期設計段階、本格的な設計段階において、システムの導入効果を見積もりそれを達成できるチューブ仕様を決定する設計作業を支援します。どうぞ使ってください。支援ツールの結果は自己責任のもとでお使いください。2017.6.24

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中部経済新聞に研究室の紹介が掲載されました。

そのなかで当研究室の取組内容が紹介されていますが、取組んでいる代表的なパッシブ手法としてクール/ヒートチューブをあげてその概念図も掲載されました。2015.5.12

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建築とまちづくり4月号に記事が掲載されました。

建築とまちづくりは新建築化技術者集団が毎月発行している技術専門紙です。建築行為の中に脱原発の方向を見つけようという特集で、クール/ヒートチューブの導入事例と設計指針というタイトルで記事が掲載されました。2012.4.1

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空気調和・衛生工学会学術研究発表会優秀ポスター賞に選ばれました。

研究室の吉岡沙野 さんが空気調和・衛生工学会学術研究発表会優秀ポスター賞に選ばれました。これで2連覇となる快挙です。論文のタイトルは「業務用ビルにおける外気負荷低減手法に関する研究」であり、中規模事務所ビルにおいて、クール/ヒートチューブを導入効果を定量的に評価して示しました。延床面積5千m2の建物で年間の一次エネルギー消費量の約1%の削減が見込まれるという検討結果です。 2012.3.14


地域特別講演会にてクールチューブの紹介をしました。

地域特別講演会は、空気調和・衛生工学会中部支部、建築設備技術者協会中部支部、三重建築士会協賛で、行われる技術者向けの講演会です。クールチューブの導入事例と検証結果、クールチューブの設計パラメーターの推奨範囲などについて、紹介しました。2012.2.7

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クールチューブに関する研究成果が日本建築学会の編著の書籍に引用されました。

本のタイトルは「見る・使う・学ぶ 環境建築」で、環境建築のさまざまな取り組みをわかりやすく紹介しています。その中で、アースチューブに関する紹介があり、設計フローにおいて研究成果が引用されて紹介されています。2011.5.25


研究室の吉岡沙野さんが優秀ポスター賞を受賞しました。

研究タイトルは「業務用ビルの外気負荷低減手法に関する研究」です。実在建物において各種外気負荷低減手法の導入効果を検証して報告しています。 2011.3.6

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クール/ヒートチューブの設計資料を掲載しました。

クールチューブを採用したいけど、管径は?長さは?管内風速は?深さは?など検討がつかないでいる方に有用なものです。ぜひ設計に役立ててください。 2009.11.7

クール/ヒートチューブの設計に関する資料


Solar energyのジャーナルに論文が掲載されました。

クール/ヒートチューブが実際導入された建物を対象に長期間にわたって実測を行った。また、数値計算モデルを構築し、複数管型クール/ヒートチューブの性能に対するケーススタディーを行った。最後には性能予測手法について検討結果を報告した。2009.7.6

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博士学位の論文が名古屋大学学術機関リポジトリへ登録されました。

論文の概要が閲覧でき、全文がダウンロードできます。論文には、クールチューブ設計の基本指針を取りまとめており、性能予測近似式を提案し簡易な性能予測ができる手法を示しています。クールチューブ設計の際、有用な情報を盛り込んでいますので、どうぞご活用ください。2009.4.27

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第12回伝熱+熱環境シミュレーション 合同小委員会+合同WGに参加しました。

クール/ヒートチューブの概要と熱交換性能について紹介した。また、既往の検討事例などの紹介をした。2008.3.1

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実測・検討実績

研修施設(京都市)

地下ピット利用タイプ、空調予熱、延長約130m、風量約4,300CMH

行政支援施設(名古屋市)

地下プット利用タイプ、空調予熱、延長約120m 、風量約2,000CMH

T社ビル(愛知県)

地下ピット利用タイプ、空調予熱、延長約60m×四系統、最大風量6,000CMH

Y社地下新築工場(岐阜県)

地下ピット利用タイプ、空調予熱、延長約100m

Mマンション

地下ピット利用タイプ、パッシブクーリング、延長約30m、風量300CMH

健康福祉センター(愛知県)

配管埋設タイプ、空調予熱、延長約360m、最大風量約10,000CMH

M大学新校舎(東京都)

地下ピット利用タイプ、パッシブクーリング、延長約30m

T社研修所(静岡県)

地下ピット利用タイプ、空調予熱、延長約150m

T温泉・宿泊施設(高知県)

地下ピット利用タイプ、空調予熱、延長約100m、風量2,500CMH

愛知県児童総合センター

地下ピット活用タイプ、パッシブクーリング、延長約100m、風量4,000CMH

よくある質問Q&A

Q クールチューブの取り入れ口は設置上、注意点はなんですか?

A なるべくきれいな(ほこりなど少ない)空気を取り入れる位置が望ましいです。また、地面からも0.7m以上の空気を吸わせて土からの有害物質を取り込まないようにする必要があります。日の当らない涼しいところがよいということで、建物の北側に設置する場合が多いです。

Q クールチューブの取り入れ口には防虫網など必要ですか?

A 必要です。防虫網もいいですが、ほこりを取り込まないようフィルタをつけるといいです。ただ、ファンの抵抗が大きくならない程度でいいでしょう。

Q クールチューブって効果はどれくらいのものですか?

A 一概には言えないですが、今までの検証例から判断すると、COPで30以上の性能をもつといえます。ルームエアコンがひと桁のCOPということを考えると断然いいですね。

Q メンテナンスは必要ですか?

A 基本的には不要です。あるとすれば、取り入れ口のフィルタの交換や掃除くらいですね。ほこりが多い場合を除いて半年に1回程度でよいでしょう。

※地下ピット内の微生物発生状況と室内空気質に関して報告した研究論文があり、以下に紹介します。以下論文の結果と結論の関係がうまく理解できていませんが、著者の結論通りあれだけの注意を払いメンテナンスをする必要のあるのであれば、その地域では地下ピット利用システムは、むしろ向いてなかったかもしれませんね。

地下ピットを活用しない施設と活用する施設間で浮遊細菌濃度と浮遊真菌濃度を測定したが明確な差は見られず、居室内の空気質は、外気取り入れ方法よりも、在室者の行動に大きく影響されるとした。しかし、浮遊真菌濃度の室内対外気比が1.0以下のときに、地下ピットを活用した施設で真菌濃度の比率が高くなったと指摘、地下ピット内の温熱環境と浮遊微生物濃度には相関関係が見られなが、夏期ピット内が高温高湿となっていたことを理由に挙げて除湿・脱臭対策が必要としている。結論は、地下ピット内の微生物汚染は確認され、除湿・脱臭対策などメンテナンスが必要ということです。

[出典:松鵜ほか、地中熱利用ピットと自然換気装置を採用した施設における微生物による室内空気汚染に関する研究(その2)日本建築学会環境系論文集 第75号657、p.977-986、2010年11月]

Q においやカビは大丈夫ですか?

A 結構気にされる方は多いと思いますが、今までの検証例では問題になった例はありません。地下ピット利用型の場合、竣工直後コンクリートのにおいがするケースがありますが、最初の1週間程度でなくなるのが一般的です。

Q クールチューブってどんな場合に採用するのがいいですか?

A 取り入れ外気量が多いケースですね。24時間換気を行う場合や全外気方式を採択する場合などが考えられます。ただし、年間冷房の建物へ導入の際には、注意が必要です。なぜなら、冬の外気冷房の妨げになるからです。この場合、バイパス経路を設けるなど工夫が必要でしょう。

Q クールチューブの性能を知るにはなにを測定すればいいですか?

A 外気流入口(クールチューブ入口)と外気取り出し口(クールチューブ出口)の空気温度、外気流入量を測ればわかります。測定間隔は1時間で十分です。結露有無の確認のためには、ピット内表面温度を測るといいです。